28日のプログラム
2012-09-24


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皆さま素敵な週末でしたか?
音楽家には週末も平日も関係ないので、日本に居ると何曜日
だか全くわからない生活ですが、、、。
お約束の本題に入ります。

28日金曜日のプログラムはフランスものでまとめています。
コレットの花火という曲はあっという間に終わってしまうのですが、
今年初めてこの曲をプログラムに入れた時に、コレット通の
お客様から、「この曲は冒頭に弾いて欲しかった!」というお言葉を
いただきました。なるほど、花火を最初に打ち上げて開幕するのは
華々しくてよいのではないか!、、、と、そのお言葉に従う私。

鳥を題材にした曲はこの時代に多いのですが、3人の作曲家による
「鳥 三題です」
ダカンの「カッコウ」という曲はピアノでも弾かれることがあるらしく、
聴いたことのある方も多いかもしれませんね。
カッコウに続いて「ウグイス」です。フランソワ・クープランの
「恋の夜ウグイス」
は、クラブサン曲集の第14オルドルの冒頭に入っている曲です。
トラヴェルソで演奏してもよいという言葉が譜面に書かれてる
珍しい曲です。この曲はクラヴサンにとってある意味一番難しい曲
ではないでしょうか。
(お客様には意味わからなくていいのよ。同業者にはわかるかも。)

それから、ラモーの「めんどり」です。曲の冒頭に「コココッ・・・」という
鳴き声が楽譜に書かれています。
やはり「鳥」は最も想像しやすく、わかりやすい曲といえるかも
しれません。
そうです、チェンバロでフランスの曲を聴かれる時は、ある程度
想像力を働かせてみることがオススメです。
先日のリサイタルで「’鳥’ときけば、どこへでも出かける、、、」と
言っていたお客様がいらして「この方はクラヴランを聴きにいらした
のでなく、’鳥’を聴きに、、、!」と微笑ましく思いました。

次にフランソワの伯父に当たるルイ・クープランの組曲からの
抜粋です。彼は残念なことに若死にをしてしまった作曲家ですが、
どれほどの天才だったことか!

ここでまたプログラム裏話になってまいます。
先日の福岡のリサイタルを東京からわざわざ聴きに来てきれた
弟子に「先生にしては全体が暗いプログラムだった」と言われ、
白状したことがあります。
「私、本当はネクラなのよー!」
うそうそ、、、全くの嘘。
つまり、「奏者が好きな曲を並べればOK」という演奏会は少ないのです。

そんなことコクったら(若者の真似)、「じゃあ、私たちに聴かせる曲は
本当は好きじゃないのに我慢して弾いてるの?」ってことになっちゃう
から、本来は言わないことですよね。
(だから、私はあえて個人的な「ブログ」は書かないのだ。
正直すぎるからだー)

しかし、演奏家というのは、サービス業的な部分もありますよね。
昔のクラヴサン奏者なんて王様に雇われて姫達にクラヴサンを教え、
王様のお望みの曲を作ったり、演奏したり、、、
これのどこがサービス業でないって?!
自分が好きな曲は夜中にこっそり自宅で弾いていた親愛なる
フランソワ・クープラン(絶対そうだと思うなあ、私もそうだし)様。

話がそれてきました。
なんでしたっけ、そう、この28日のプログラムの始めの4曲が
サービス的な選曲で、次のルイは、私の好みです。
自分の好みの曲となると、本来とても親密な空間、あるいはとても
クラヴサンにとって音響のよいホールでないと、良さがなかなか
出てこない、伝わらないというとても「不利」な条件があるのです。
なので、そういう曲を弾くにはまず器を選ぶということです。

クラヴサンのデリケートなニュアンスに惹かれてやまない奏者は、
こういった曲が好きなものです。
それで、どうして先日のリサイタルが「暗い選曲」だったかというと、

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[曽根麻矢子]

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